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高校進学について(1)不登校児童の義務教育の終わり

静かな教室

小学校3年生から学校が苦手になってしまい、中学校3年間は通常教室に入ることができなかった子は、この春から高校生になりました。

「高校生になりました」という「結果」に至るまでのことを、少し記録しておこうと思います。

義務教育後の進路選択と親の葛藤

子が中学3年生になり、いよいよその先の進路を考えなくてはならなくなりました。
本人は不安と緊張が多く、未来の何かを決めるということから、目をそらそうとしているように見え、不機嫌になることもありました。

進路を一緒に考えるといっても、その進路は親のものではありません。どんなに熱心にやっても、子供が興味を持たないこともあります。

そんな時に、「お母さんはこんなにがんばっているのにどうしてやってくれないの?」という気持ちが浮かんでくることがありました。

「私はこんなにがんばっているのに…」と思うことはいろんな場面でありますが、「がんばりを認めてほしい」というのは、自分の欲であり、がんばっているのは自分自身なのだから、子供には関係のないこと。

自主的にがんばっておいてそれに答えろというのは間違っているなと思うので、この思いが浮かんでくるたびに、自分の欲に負けているなぁと反省しました。

自分にできる範囲で情報を集め、子供の気持ちの調子が良いときにそれを少しずつ伝えるようにしました。

学生? 社会人? 学校に行きたくない子の進路

親がいろいろ心配してる横で、子供本人もひそかにいろいろ考えていたと思います。

まず大きな問いとして、高校生になるのかならないのか、という点から、本人の気持ちを聞いていきました。

高校生になるなら、まだ学生という甘えらえる立場でいられるけど、高校生でもなく働くわけでもない、なんだかふわふわした立場になるという選択肢もあります。

私の子育て方針は「最終的に自分の力で生きていけるようになってくれればOK」というもの。

高校に行くことが重要なわけではないけど、高校や大学にいくという、みんなが通る道を行くのが一番楽。

そうじゃない道を選ぶのは本人が自分で決めるならもちろん良い。ただ、それは結構過酷な場合もあるので、選ぶときはよく考えてほしいと思っています。

うちの子の場合は、先々の目標はないものの、「高校生になる」を選びました。

子供の進路についての考え方

「高校生になる」という選択はしたけど、考え直すこともできるし、何度もやりなおすこともできるという話は、子供と何度も話しました。

高校生になることを決めたからとって、必ずしも高校側が受け入れてくれるとも限らないので、もし高校生になれなかったとしたら、どうするかまた相談しようねと。

高校生になれたとしても、通えなくなるかもしれない。
どうしてもだめだったらやめて、やり直すこともできる。

ダメなら何度でもやり直せば良いのです。
たぶん一番いけないのは、何もしないこと。

選択を先延ばしにすることもできるけど、何かに挑戦することで少しずつ変わることがあるかもしれない。
選択を先延ばしにすれば、行動するときに必要な勇気の量も増えていくかもしれない。

何もしない、何もできない、という状態になってしまうと、そこから動き出すのは大変になる気がしたので、そのあたりは正直に、私個人の意見として伝えました。

「自分で選ぶ」というのが本当に自由なのかどうか

選択には必ず責任がついてくるので、お母さんがすべて決めてあげることはできない。

あなたの人生をあなた自身で選択していく必要があり、自分が選んだものについて、自分で責任を取らなくてはならない段階にきているのが、義務教育の終わりの今なのだという話をしました。

ただ、どうしても決められない、どうしたらよいのかわからないのであれば、お母さんが選んであげることもできる。

そうしてお母さんに決めてもらった場合、できなかったら「これは自分で選んだのではなくお母さんが選んだから」という言い訳をしても良いよという話もしました。

もちろん、ずっと親に決めてもらうことはできないので、それを続けることはできません。

ただ私は、中学校の教室に入ることができなかった子に、「自分で決めて良いんだよ」というのが、本当に、「本人の意見を尊重した」といえるのかどうかわからないと思っています。

一見本人の自由にさせているように見えるものの、全然自由じゃないように感じられたので、成人もしていない今は、親のせいにさせてあげても良いのではと思ったのでした。

正しいのかどうかはわかりませんが。

まとめ

学校大嫌いなうちの子が、「高校生になる」という気持ちを決めただけでもだいぶ勇気のいることだと思います。

テキストにすると簡単そうに見えるけど、それを決めるまでに時間がかかったし、親よりも本人の中で、いろんな思いがあったはずです。

どの道を選んでも間違いではないけど、「選ぶ」って本当に大変だし、プレッシャーを感じてしまうもの。

親である私も、自分の人生は「親」である前に「人」なので、きちんと考えて選択をしていかなくてはいけないなと、子供を見ながら思いました。

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