子供にお小遣いをあげる理由はさまざまです。
子供たち自身が自分でお金を使ってみることで学びを得てほしいとか、本人が興味を持ったからとか、世間一般的にお小遣いをあげてる家が多いからとか、いろいろあると思います。
将来を見据えて、「お金の価値を教えたい」「自分で管理する力を身につけさせたい」などと考えるご家庭もあると思いますし、どの家庭でも工夫してお小遣い制度を考えているのではないでしょうか?
お金の教育がますます重要になる時代
我が家では、一番上の子が小学生だったときからずっと、「複利の考え方を取り入れたお小遣い制度」にしています。これは、子どもが持っているお金の一定割合(例:5%)を定期的に追加でお小遣いとして渡すというもの。
私自身は投資などに詳しいというほどでもありませんが、自分の老後や資産形成を考えると、最低限のことは学ばなくては…と考えて、大人になってから少しずつ勉強した経緯があります。でもそれを人に教えられるようなレベルではなく、子供たちの将来に向けてそういった「お金の勉強」でサポートできることは少ないかも…と思っていました。
お小遣いを複利制にすることで、子供たち自身が投資の考え方や複利について実感できる機会になるのではと考え、このやり方に落ち着きました。
NISAなど国の新しい制度が生まれたりして、今まで投資など考えたことがないひとでも、自分の資産をどういうかたちで持っていくのかなど、考えないといけない時代になっていると思います。
貯金しておくのも良いのですが、単純に銀行にお金を預けるということは、「日本円」に対して投資を行なっていることと同じです。国が変わるだけで利子率なども変わりますし、お金として持っておくのではなく、株や投資信託というかたちで持っておくという選択肢もあります。
子供たちが将来、そういった自分たちの資産形成を考える際に、少しでも幅広い見方で考えられるようになってくれたら良いですよね。
この記事では、複利性お小遣いの内容やメリット、我が家で実践した結果などを紹介したいと思います。
複利制お小遣いとは?
複利制お小遣いとは、子どもが持っているお小遣いに対して一定割合を毎月渡すという方法です。たとえば、次のように計算します。
- 子供の年齢やもともと持っているお小遣い額などを考えて、パーセンテージを決めます。我が家の場合は、小中学生は5%としました。
- お年玉は本人がもらえるようにしていたので、小学校低学年でも貯金箱に1万円入っているような状態でした。
- その月の所持金が1万円で、お小遣いとして5%もらえるので、500円もらえる、という感じです。
その結果、所持金は10500円になります。翌月も同じように5%を計算するため、もしその月にお小遣いを使わずにいたとしたら、翌月には以下の計算式になるので、もらえる額が増えます。
10500円 × 5% = 525円
ただし、お小遣いを2000円使ってしまったとしたら、残りは8500円ですので、翌月のお小遣いはその5%となり
8500円 × 5% = 425円
しかもらえないことになります。増やせば増やすほどたくさんもらえるようになり、元本となる所持金をたくさん使ってしまうともらえる額が減っていきます。
ただし、後年には上限と下限のルールも追加しました。そのあたりのお話は後述します…。
複利性お小遣い制度のメリット
1. 複利を学ぶきっかけになる
複利によって「お金が増える」仕組みを実感できるので、早い段階からお金の価値や資産運用について学ぶきっかけになると思っています。親が投資の話をするよりも、実際に体験させることで理解が深まります。
世界の経済は人口が増え続ける限り拡大し続けるもの、と言われていますので、資産を適切なかたちで持っていれば、その価値は増えていくはず、と思っています。
2. 貯金する楽しさを覚えられる
複利制度では、貯めた金額が大きいほどもらえる金額も増えるため、子どもは「お金を使わず貯めること」に興味を持ってくれるのではと考えました。節約や倹約をすることに対して、「無理してがんばってやらないといけないもの」のように考えるのは負担になりますが、「将来のプラスのために前向きな気持ち」を持ったうえで、無駄なお金を使わない習慣をつくってくれたらいいなと思います。
3. 計算力や計画性が育まれる
毎月の増減を計算することで、自然と計算力が身につきます。また、「どれくらい貯めればもっと増えるのか?」といった計画性や目標を立てる力も養えます。
例えば就職を考えるタイミングで、割の良いバイトで月収が30万円になる状態と、正社員だけど入社時の給与は20万円の状態があったら、その価値について考える場合に、ひとによって意見が異なると思います。いろんな条件があるとしても、そのときのことを優先するのか、未来を優先するのかなど、少し長い目でものを考えるようになってくれたらという願いもあります。
複利制お小遣いを楽しく続けるためのポイント
1. 増えた金額を目で見える形にする
手書きでグラフを作ったり、お金の成長が見えるアプリを使ったりするのも良いと思います。視覚的な成果は子どものモチベーションを高めやすくなります。
2. 使ったときの影響も学ばせる
貯金が減ると利子も減るため、「お金を使うときには計画が大事」と自然に学べます。子どもが好きなものを買う際に、「来月のお小遣いがいくらになるか計算してみようか」と一緒に考えてみるのも良いと思います。小さい買い物だけど今月はたくさん使っているな…と思ったら、「今現在の所持金を見ておいたら?」と声かけするだけでも子供は自分で考えようとします。
3. 長期目標を立てたり、結果を振り返る
たとえば、「この制度で1年間貯めたら何が買える?」といった目標を作ると、子どもはより楽しんで取り組めます。具体的に買いたいものがある場合なども考えやすいと思います。買いたいものがある場合は、買ったあとに所持金がなくなってしまうとお小遣いが少ししかもらえなくなりますので、子供達はそれも考えたうえで、いくらくらい貯まったらこれが買えるかなと自分で考える機会になりました。
また、たくさん使ってしまった結果、もらえるお小遣いが減った場合、それをもとの水準に戻すにはとても時間がかかります。使うときは一瞬ですが、戻すにはその何倍も時間がかかる、ということを実感してもらうことで、お金の大切さも伝わると良いなと思っています。
我が家で複利制お小遣いを実践した結果
やったことのないやり方を試すとき、自分だったらどうするかを想像するものと思います。私は自分だったら、どれくらいは使っても大丈夫だな、などと計画性を持って使っていくだろうと想像をしていたので、子供たちにあげるお小遣いが増えてしまうことを想像していました。
結果、うちの3人の子供たちはそれぞれの使い方があって、まったく違う結果となりました…。
1番上の子の場合
欲しいものを買っていって、もらえるお小遣いが減ってしまったのに、浪費をやめずにいつもお金がないような状態になりました…。これはさすがにかわいそうだと思って、ここで下限の金額を設定して、少しでもお小遣いがもらえるようなルールを追加しました。
2番目の子の場合
学校大嫌いで友達と出かけることなどが少ないのもあり、お金がとても増えました。中学生時点で所持金が20万円を超えてしまい、毎月1万円はあげすぎかなと思ったこともあり、ここで上限を決めるというルールを追加することになりました。まれに、好きな漫画や本や関連グッズを買うときは数万円くらいぽんと使うこともあるのですが、その際にも、これくらいは使って大丈夫という見通しを自分で考えているので、3人の中で一番所持金が多いのは2番目です。
3番目の子の場合
うちの3人の中では中間というか、バランスが良いなと感じられるような使い方です。欲しい漫画があるとどんどん買ってしまって、大丈夫かな?と思うような場面が何度もあるのですが、残金はちゃんと考えているようで、一番上のような状態になることはありません。複利制の場合はそれなりに所持金が増えるとそこからは増えるスピードが上がるので、今では安定したお小遣いをもらいつつ、気分転換にコンビニで好きなお菓子やジュースを買ってみたりしています。
まとめ
子供たちが高校生と中学生の年齢になりましたので、投資の考え方なども私にわかる範囲で伝えていくようにしています。その説明をするときにも「複利」というものが関わってくるので、「お小遣いと同じ理屈」として伝えることで実感しやすいのではと思っています。
我が家の場合は子供たちそれぞれの証券口座も開設していますので、実際に投資をすると複利がどう作用するのかについても説明するようにしています。ジュニアNISAが終わってしまったのは残念ですが、新NISAは18歳から利用可能ですので、自分の資産の管理についても学んでいって欲しいと思っています。
このやり方を強くおすすめするつもりはありませんが、参考にしていただける部分が少しでもあれば幸いです。
コメントを残す