未就学児ならお友達との関係を親が近くで見守る時間もあったかもしれませんが、小学生になると親からは見えないところでのお友達との時間が増えます。
親の手を離れてたくさんの経験を積むことで情緒も発達し、いろいろな気持ちが芽生えます。そんな中、時にはお友達と意思の疎通にズレが生じることもあります。
我が家の子供が体験したお友達とのトラブルのお話と、そこから親である私が学んだことや考えさせられたことを書いてみたいと思います。
子供がお友達とのトラブルで傷ついたときにすべきこと
「嫌な態度を取られた」「嫌なことを言われた」そんなトラブルは小学校に上がる前からあります。子供が傷ついたときに親にできることはなんでしょうか。
「もうそんないじわるな子とは付き合わなくて良いじゃない」
「もっと違う態度で接したらよかったのに」
「あなたのことを傷つけるなんてお母さんが怒ってあげる」
「あなたにも悪いところがあったんじゃないの?」
「明日もう一度話し合ってみたらどうかな?」
親としては自分の子供を守りたい。うまく立ち回れるように助言してあげたい。なんとかしてあげたいというのが当たり前の反応だと思います。
私も実際に、我が子がお友達から傷つけられたときにいろいろなことを話しました。
でも今、落ち着いて考えてみて、まずすべきだったことは、子供の言葉に共感することだったと思います。
「みんなで遊びたいのにお友達から仲間はずれにされて悲しかったね。」
「お友達と仲良くしたいのにいじわる言われたらつらいよね。」
あなたはこうしたかったのに、それが満たされずにつらかったね。
と、相手(この場合は子供)の気持ちを代弁してあげることで、相手は「理解してもらえた」という安心感を得ます。
子供にとって、親に理解してもらい、共感してもらうということがとても重要です。この「共感」については、相手が大人の場合でも有効です。
お友達とのトラブルから学ぶこと
我が家の場合は4年生の時だったと思いますが、ある夜に子供とお風呂に入っていた時に、ふいに話してくれました。
「もう今は大丈夫なんだけど…」から始まり、実は少し前に、それまで仲が良かったお友達に陰口を言われていたことを知ってすごく傷ついていたという話でした。
話しているときは怒るでも悲しむでもなく、「もう今は平気なんだけど」ということを何度か口にしていました。
私が話を聞いていく過程でぽろりと涙をこぼすこともありましたが、親に話せる段階ではすでに本人の中である程度整理がついた後のようでした。
我が家の場合は「いじめ」というほど大きな出来事にはつながらなかったと考えていますが、いじめられた子の多くは、それを大人に言うことができないそうです。
なぜかというと、いじめられることが自分の間違いや失敗であるかのように感じるのだそうです。
本人の気持ちの整理の仕方を聞いてみると、「その子たちとはうまくできなかったけど、自分には他にも仲良くしているお友達がいるから大丈夫」と考えたそうです。
私からは、「いろいろな子がいるけど、あなたが悪いわけではない。人間には相性があるから、その子たちと合わないことはあなたの失敗ではない」と伝えました。
私がとやかく言わなくても、本人が、自分がされたことのどこが嫌だったのか、どんな行動が人を傷つけるのか、嫌だったことを他人にしないようにしよう、などという学びはすでに得ているようでした。
小学生なんてまだ子供ですが、自分で学んでいてすごいなと感心したのを覚えています。その経験を子供が今後の人生に活かせるなら、それもまた貴重な経験だったのだと思います。
お友達とのトラブルを繰り返さないために
小学生の子供が経験したことをムダにせず、それが嫌なことであったのなら、同じようなことを繰り返さないために話し合うことは重要だと思います。
ただし、その話し合いは出来事が落ち着いて、子供の気持ちの整理ができ、冷静に話せるようになってからで良いと思います。
我が家の事例だと、「陰口を言われていた」ということでしたが、そういう状態になるには理由があると思います。
子供に悪気はなくても、相手を嫌な気持ちにさせるようなことを言ってしまっている可能性もありますし、その場合だとそこを改善せずにおけば必ずまた同じことが繰り返されると思います。
人間関係のトラブルは、大人だってあります。子供に正直に、お母さんもこんな気持ちになるときがあるよ、とか、お母さんもこんなトラブルがあってさ、という話をしました。
そして、大人である自分の対応、考え方、反省点を、できるだけ上から目線にならないように、一緒に話し合いをしました。
私がしたことにどれだけの効果があったのか、あるいはまったく効果はなかったのかもしれませんが、ひとつの問題について子供と一緒に話し合えたことは、私自身にとっても重要だったと思います。
まとめ
子供がお友達との関係に傷ついたり、トラブルに巻き込まれていたりする場合、まずその気持ちに共感してあげることが重要だったと思います。
どうしても親は助言や評価を口に出したくなるのですが、振り返ってみると、そういうことよりも、まず話をちゃんと聞いて、その気持ちをわかってあげることが大切だったと感じます。
大人になる過程で、嫌なこと、つらいこと、やりたくないこととたくさん出会います。
私は、「嫌だからやりたくない」というのを許容するつもりはありません。やりたくないことでも生きていく上でやらないといけない場合がたくさんあるからです。
でも、その「嫌だからやりたくない」という気持ちを受け止めてあげられるようにしないとと、最近特に考えています。
つらいこと、嫌なこと、マイナスなことを親が受け止めてあげることが、子供たちが前に進むためにとても重要です。
この「共感」の考え方については、以前コミュニケーションの勉強をしていたことともつながりますし、また、不登校気味の我が子への接し方とも大きく関係しています。
「不登校」と「共感」については、また機会があれば記事にまとめたいと思っていますが、私がこの「共感」に重点を置いて対応をすることを意識するようになってから、不登校気味だった子供の様子に変化が出てきたように思います。
同じような悩みを持つ方のお役に立てる部分が少しでもあればと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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