私立高校の学費は公立に比べると高額で、保護者の負担が大きくなることが一般的です。
我が家の2番目さんが通信制高校に行き始めたことは書きましたが、多くの通信制高校は広域通信制高校といって、本校は地方にあることが多いです。
東京都在住で都内の私立高校に通う場合は、学費の支援として「東京都からの支援」と「国からの支援」のふたつがありますが、本校が東京都以外にある場合は、「東京都からの支援」の代わりの支援があり、どちらの場合も基本的にはふたつの支援を受けることができるようです。
私立高校の学費を助成金で安くするための支援制度についてまとめました。
私立高校の学費の現状
まず、私立高校の学費は年間で約70〜100万円程度がかかることが多いです。これに加えて、入学金や教材費、制服代などの初期費用も必要です。
対して、公立高校の場合は、年間の学費10万円前後と、私立高校と公立高校の間で大きな差があるため、子供が私立高校を選択した場合に、家庭で経済的な負担を感じることがあります。
また、私立高校の場合は、学習のためのイベントが充実していることも多く、自由参加型の研修旅行などが用意されている場合もあります。
必須で参加する修学旅行のようなイベントは全員参加できるように比較的安価なプランにしてくれている代わりに、自由参加の研修旅行は、海外など費用が高めのものもあります。
「就学支援金」制度
最も広く利用されている助成制度が国が行なっている「就学支援金制度」です。この制度は、国が家計の負担を軽減するために提供しており、所得に応じて私立高校の学費の一部が支給されます。
所得基準
世帯の所得に応じて支給される金額が異なり、住民税の課税標準額に基づいて決定されます。
支給額
最大で年間約39万円が支給され、授業料から差し引かれます。
申請方法
学校を通じて申請することが一般的で、必要な書類としては、住民票や課税証明書などが求められます。
「高等学校等奨学給付金」制度
「就学支援金」とは別に、低所得世帯向けの給付金制度も存在します。これは、授業料以外の学費負担を軽減するための制度で、教科書代や学用品費などに使うことができます。
対象
主に非課税世帯や、世帯収入が一定以下の家庭が対象です。
給付額
年間約3〜9万円が給付されます(都道府県によって異なる)。
申請方法
こちらも学校や自治体を通じて申請が行われます。上にある「国の就学支援金」の手続きと同じ流れで申請できるようです。
各都道府県の独自の助成制度
各都道府県でも、私立高校に通う学生向けの助成制度が用意されています。
東京都の通信制高校に通っているが、本校は別の都道府県にある場合
ここは少し具体的に書きます。2024年でいうと、「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金」という制度があります。
春の時点ではこの制度の申し込み方法などが少しふわふわしていて、たまたま別の質問で問い合わせたいことがあったのでついでに質問した際には、秋ごろにWebに情報が出ますとの回答でした。
実際に申し込み時期には学校側からのお知らせがありましたので、それにあわせて対応していくことになります。
下に書いている、東京都の助成金の申し込み方法とはまた別の手続きになるのと、どうやら年によって変わるようなので(改善されたり、手続き方法が変わったり)、その年ごとに確認するのが良さそうです。
申請の際には、住民票と課税証明書など、「国の就学支援金制度」と同様の書類を用意する必要があります。
東京都の例
「私立高校授業料軽減助成金」では、年間最大約32万円の補助が行われており、就学支援金と合わせることで実質的な学費負担をゼロにできるケースもあります。
大阪府の例
「大阪私立高校学費支援制度」では、世帯収入に応じて、授業料の全額免除に近い支援が行われています。
学校独自の奨学金制度
多くの私立高校では、独自の奨学金制度を設けています。
成績優秀者やスポーツでの活躍が認められた生徒、経済的に困難な家庭の生徒などが対象となることが多いです。学校の奨学金制度を利用することで、学費の一部または全額が免除される場合があります。
また、私立の場合は、大学までエスカレーター式のところもありますので、その場合は、高校の成績によって、大学進学時に奨学金制度が受けられることもあります。
支援制度を活用して私立高校の学費を賢く抑える
以上のような助成金や奨学金制度を活用することで、私立高校の学費負担を大幅に軽減することができます。制度を上手に利用するためには、申請のタイミングや必要書類をしっかりと確認し、早めの準備が大切です。
基本的には学校側からお知らせが来ますので、お知らせを早めに確認するようにして、対応漏れがないようにできると良いと思います。
また、よくわからないと思ったことはすぐに問い合わせをしておくと良いです。電話問い合わせで、不明点を伝えれば教えてもらえますので、学校側に問い合わせてみて、回答できない場合は問い合わせ先を教えてもらえるはずです。
あるいは、Webで検索して、関係機関に問い合わせをするという方法でも良いと思います。
ポイント
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- まずは「就学支援金」と「高等学校等奨学給付金」の対象となるのかを確認して、しっかりと申請。
- 都道府県の独自助成制度も忘れずに活用する。
- 学校独自の奨学金も視野に入れ、早めに条件等を確認して、該当する場合は学校に相談する。
まとめ
私立高校の学費は公立高校に比べて高いものの、国や地方自治体、学校が提供する助成金や奨学金をうまく利用することで、負担を軽減することが可能です。
特に、「就学支援金」や「奨学給付金」は、多くの家庭にとって有効なサポートとなります。制度を活用することで、なんとなく想像していたイメージよりも、実際の学費は抑えられる場合があります。
「私立高校は学費が高そうだから」という理由で消極的にならずに、実際に利用できる支援制度と、その対象になっているかを確認して試算してみると良いと思います。
子供が希望する教育であれば、できれば受けさせてあげたいのが親の気持ちですが、経済的な負担はすぐにはどうにもならないこともあります。
制度を活用して、子供の望む未来に近づいていけますように。
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