子供たちは毎日成長しています。通信制高校についてのあれこれを記録しておこうと思います。
不登校からの高校進学
以前から書いている通り、うちの2番目さんは小学校の中学年から学校が苦手になりました。詳しくは過去記事を参照していただくとして、今年の春からは通信制高校に通い始めました。
たくさん悩んで進路を決めて今に至るわけですが、その中で、通信制高校について思っていたことや、実際どうだったのかなどについて、書いておこうと思います。
進路を決めるときのいろいろは下記の記事などに記載していますので、ご興味のある方はそちらもご覧ください。
通信制高校を選ぶ基準や背景
小中とほとんど学校に行けていない中で、中学卒業後の進路をどうするのかについて決める時期が来たときに、まず本人と話ったのは「これからどうする?」です。
「一般的」「普通」とされる道は、世の中でもっとも整備された道です。子供に苦労させたくないと考えると、一般的な道に進んでくれたらいいのにと思ってしまいます。
強い気持ちでやりたいことがあるわけでもなく、ただ家の中で時間を過ごすだけでは、その先の未来が心配になってしまうのは無理もないことです。
高校生になる、中卒で働く、何もせず何者でもないひととして過ごしてみる、などなど、制限をつけなければ、選択肢はいろいろあります。
うちの子の場合は「高校生になる」を選びました。決して積極的な選択ではなく、消去法で残ってしまったから…という気持ちだったのではと思いますが、本人が決めることに意味があると思っています。
うちの子にとって一番のハードルは「通う」ということだったので、できるだけ通う機会を少なくできる、通信制高校が一番有力な候補になりました。
知らなかった!高校進学について学んだこと
自分自身も、友人知人も、上の子も全日制の高校に通ったので、それ以外の選択肢についての知識がありません。ネットで調べてみたり、関連のセミナーや説明会に参加したりなどして情報を集めました。
その中で、「知らなかった!」と思ったのは、高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)についてです。
私はこの資格は、高校卒業資格なのだと思っていましたが、あるセミナーの中で、「高等学校卒業程度認定試験に合格したからとって、高校卒業資格が得られるわけではない」という話が出てきて、「え!?」と思いました。
高等学校卒業程度認定試験に合格することは、高校卒業と同等のものとして扱われることで、その先の進路に進むことができるだけで、合格しただけでは、最終学歴は「中学校卒業」でしかないとのこと。
そういう意味では、定時制高校や通信制高校は、卒業すれば最終学歴は「高校卒業」になりますので、一歩一歩前に進むなら、まず高校卒業資格を目指すのは悪くないなと考えました。
うちの子の場合、現時点で高校卒業後に行きたい学校があるわけではないので、その先の進路決定をいったん先にのばして気持ちの余裕をつくるという意味でも、通信制高校を選択するのは悪くないことだと感じました。
通信制高校の実際
通信制高校の仕組み
通信制高校の多くは、広域通信制高校というもので、例えば東京都に住んでいて入学できる通信制高校はたくさんありますが、その通信制高校の本校は地方にあることがほとんどのようです。
東京に住んでいても、例えば茨城県にある高校に所属して、日々のレポートをこなしながら、東京都内でスクーリングに参加したり、年に数回は茨城の本校に行って授業を受けるなどして、卒業を目指すことになります。
その際、スクーリングとして通って授業を受けるのは、単位や期間が決まっていて、本校が用意した施設等に通うことになります。
通信制高校とサポート校
そして、通信制高校とは別で、サポート校に所属して、日々のレポートの進捗管理などを手伝ってもらうのが一般的なようでした。
実際いくつか通信制高校の資料を取り寄せたところ、名前も場所も違う3校ほどが、実は同じ広域通信制高校のサポート校だったりしました。
卒業資格を得るのは本校の資格ですが、実際の単位取得のサポートを行なってくれるのはサポート校で、本校からの連絡等も保護者に直接ではなく、サポート校を通じて行う場合が多いようでした。
実際に選んだ通信制高校は…
その中で、我が家が選んだ高校は、地方に本校があり、全国にいくつかの校舎を持っている高校でした。
利点は、サポート校ではなく校舎を持っているので、その校舎でスクーリングを受けることになるため、スクーリング期間が比較的ゆるめに設定されているように思いました。
また、校舎があるため、スクーリングの期間だけ行ったこともない借り物の施設で授業を受けるということがなく、初めての場所が苦手なうちの2番目さんには合っているのではと思って決めました。
学校側のサポート体制
学校側のサポート体制としても、サポート校の場合よりも、もう少し学校とが子供や保護者に近い位置付けになるように感じたのも選んだ理由です。
質問や確認事項があれば校舎に問い合わせることになりますが、あくまでもそこが子供の学校なので、サポート校という別の組織に連絡するよりも安心な気がしています。
(サポート校が悪いわけではなく、問い合わせたことがたらい回しになったり、間にひとが多く介されることによる、認識ズレや伝達ミスの可能性を下げてくれるように感じている、ということです。)
スクーリングへの参加
実際に学校が始まり、スクーリングに通う際にも、少しずつ慣らしていくようにしたのですが、通うペースが遅いと、あとあとがんばって行かないと単位が取りきれないということになりかねません。
様子を見て、子供本人とも相談しながら進めていましたが、学校側から見て少しペースが遅いかもしれないと判断されたときなど、保護者にお電話をくださって、子供や家庭の様子について先生と直接相談する機会もありました。
問い合わせのメールアドレスに問い合わせを送った際なども、事務の方からお返事をいただくよりも、担任の先生からご連絡をいただくことのほうが多く、親としては安心感があります。
担任の先生との関係、という意味でいうと、全日制高校などと同じで、本人や保護者と担任の先生との相性などもあるかもしれません。
学校側としても、子供が通えなくなってしまうことはマイナスでしかないので、不安なことや不明点について問い合わせると、なにかとサポートしてくれます。
子供自身にも、困ったら先生や受付の方にご相談してごらんと伝えていますが、人見知りが強いこともあって、今はまだ難しいようでした。
親である私にできること
実際に春から高校が始まり、親としてまずやらないといけないのは、学校のシステムや仕組みについて理解することでした。説明会などで聞いた内容を整理して、不明点があればすぐに電話やメールで確認をしました。
自分が知っている高校とは仕組みが違うので、不明点があれば早めにクリアにして、不安が強いうちの子が少しでも安心して、気持ちの準備に時間をかけることができるようにしてあげたいと思いました。
スクーリングも、本当は4時間受けられる授業がある日だとしても、慣れないうちはまず1時間だけ受けて帰ってくるなどして、慣らしていきました。
最初のうち、スクーリングの日は教室前まで付き添いました。行きに付き添って、教室に入るところまでを見守り、私は外で時間をつぶして、授業が終わるころにまた校舎まで迎えに行って、一緒に帰宅していました。
単位の管理やレポート提出についても、子供が学校で質問できないことは、代わりに私が確認し、確認した結果と一緒に、「こういうときはこういうふうに質問すれば良いんだよ」と、質問の仕方について子供に伝えるようにしました。
何かわからないことや問題があるときに、子供自身で解決できるようになってくれるのが理想ですが、そのためにはまず見本があったほうが早いと思っているので、親がやったことをできるだけ具体的に伝えておくことで、少しずつでも子供の経験値が上がれば良いなと思います。
まとめ
うちの子の高校は前後期制なので、夏休みが終わって、現在はテスト期間です。
中学でも定期テストを受けたことのないうちの子にとって、なかなか緊張するイベントだと思っていますが、今のところ、こつこつがんばっています。
まだ始まったばかりの通信制高校の高校生生活。まずは1年を平穏に過ごして、無事に単位を取れることを目指してくれたらと思っています。
そして、もしも、ある日急にできないことが出てきて、順調だった日々が崩れることがあっても、子供を責めたり落ち込んだりしないよう、前向きな気持ちで見守っていけたらと考えています。