怒りをコントロールする3つのポイント|アンガーマネジメントの基本

子育てをしていると、ついカッとなって怒ってしまうことがあると思います。

私個人の体験だと、怒りながら、「ああこれは良くない叱り方だな」と気づいているのにどうにもできない場合もありました。

そして、子育て以外の出来事がきっかけだとしても、怒りの感情が続いてしまうことで、無関係なはずの子供たちに対してもなんとなく不機嫌な態度になってしまったり。

怒ること自体は決して悪いことではありませんが、そのコントロールがうまくできない状態のままでいると、自分がつらくなり、周りにいる人間をも悲しくさせてしまう。

少しずつでもそういう場面を減らして、子供たちや家族との関係、またそれ以外の周囲のひとたちとの関係も改善していきたいという願いを持つひとは多いと思います。

私自身、数年前からコミュニケーションの本を読んだり勉強したり、セミナーや勉強会に時々参加したりしてきた中でいろいろなことを学びましたが、中でも「怒り」との付き合い方がコミュニケーションを改善してくれた部分は大きいと思います。

今回は、「怒りのコントロール(アンガーマネジメント:Anger Management)」について、私自身が有益な考え方だと思った内容をまとめたいと思います。

コミュニケーションの中での「怒り」という感情

上でも書いた通り、「怒り」の感情はそれ自体が悪いわけではありません。怒りを感じない人は基本的にはいないと思います。

(ただし、訓練や考え方で、怒りに対して感情が揺さぶられるのを抑えられる人というのはいると思います。)

怒ることは悪くない。でも、気持ちが怒りに支配されたままコミュニケーションをとることは、誰も幸せにしないばかりか、自分が本当に伝えたいことさえ伝えられなくしてしまう場合もあります。

また、本当に希望していたことが伝わらずに誤解を生んだままになってしまうことも…。

お子さんや周囲のひとと良いかたちのコミュニケーションを取り、相互に幸せな関係を築くために、怒りをコントロールするポイントをお伝えします。


1. 怒りの波がやってきた!その時にまずやるべきこと

「カッとなる」「キレる」怒りの感情は時としてとても大きく、突然訪れます。

その時にまずすべきことは、いったんその場を離れることです。

感情のコントロール方法を学んでいくと、気持ちだけを切り離すことも少しずつできるようになりますが、それができないうちは、まず怒りの原因や場所から離れること。

実際にその場を離れて少し散歩に出かけるとか、別の部屋に移動するのが良いと思います。

話し合いの場であるなら、少しだけ時間をもらっても良いですし、どうしてもその場を離れられないなら、怒りにまかせて何かを言う前に、まず深呼吸してみるなど。

「怒りの感情は6秒で消える」という話もありますので、黙ったまま6秒、心の中でカウントしてみるのも良いと思います。実際には怒りの感情は6秒待つくらいでは消えないと思っていますが、カッとなった状態は脱することができると思います。

怒りがやってきたときに、真正面から受け止めてしまうと、イラ立ちに押されてついその不愉快な気持ちをそのまま外に出してしまうことがあります。

自分が不愉快だと感じることを受け止め続ければ精神的に不衛生になるのは当たり前ですが、その不愉快な気持ちをそのまま外に出せば、周りの人の気持ちをも傷つけます。

怒りのさなかにいると、「他者が自分を不快にさせたのだから、自分だって他者を不快にさせても構わないんだ!」という気持ちになることもあります。

ですが、不快な刺激に対して、同じように相手を不快にする刺激で返すことは、コミュニケーションを破綻させていきます。

そうならないためにできることを積み重ねて、少しずつ「怒りに踊らされない」自分をつくっていくことって、すごく重要だと思います。

2. 怒りという感情のトリガーを理解して対処法を知る

人間が怒りを感じるときはどういうときでしょうか。

子供が言うことをきかない。家族が自分の話を理解してくれない。自分以外誰も家の中の掃除をしない。頼んだことさえまともにやってくれない。自分の努力に対して誰もねぎらってくれない。

これらに共通することは何かというと「自分が望んでいることが叶えられない」という状態です。

子供に話をわかってもらいたい。子供が抱える問題を解決したい。家族に気持ちをわかってほしい。家を片付いた状態、清潔な状態に保ちたい。お願いしたことを快く引き受けて実行してほしい。自分のがんばりを認めて欲しい、あるいは感謝されたい。

自分が望んでいることを自覚して、怒りの原因がどこにあるのかを見つめることで、「相手に対して怒っている」という考えを止めることができます。

他者の行動や考え方が自分の中に怒りを生むのではないのです。叶えられない望みを抱いて、誰かにどうにかしてほしいのに解決されない!という気持ちが怒りの元になっているのです。

3. 長くつきまとう怒りの感情を自分から切り離す

2でお伝えした考え方に慣れてくると、少しずつ他人に対しての怒りは薄らいできます。だからといって、「怒らなくなる」わけではありません。

怒りの感情を感じることはありますし、怒りのエネルギーにぎゅうっと締め付けられることもあります。それを、他人のせいではなく自分の感情として受け止めることは、少しずつですが気持ちを落ち着けてくれます。

それでも尚、ひとつの出来事がいつまでも頭の中に残って、思い返してはつらくなったりイラ立ったりすることもあります。

それは、2でお伝えしたような、「叶えられない望み」が放置されてしまっているからだと思います。

例えば「子供部屋を掃除してきれいな状態にしておいて欲しい」と願っても子供たちは掃除も片付けもまともにしない。イラっとしますね。笑

でも、イラっとしているのは「子供たちが何もしないからだ!子供たちが悪い!」のではなく、「部屋をきれいにして欲しい」という望みが叶えられないことに対してです。

子供が自分を怒られているのではなく、叶えられない望みがあることが自分をイラ立たせているのです。

そして部屋はいつまでも汚いまま…。だから何度もイライラしてまう…。うん、イライラしますよ。笑

でも、本当にイライラしているのはそこじゃないかもしれない。自分のつらさや希望が理解されずに放置されていることが心を傷つけているのではないでしょうか。

だから、誰かに話して「うんうんわかるよ、きれいにして欲しいよね。何度も同じこと言いたくないよね。」と共感してもらうことで気持ちが楽になったりします。

わかってくれるひとがいる。自分の気持ちが理解してもらえる。同じ思いを共有できる経験があると、マイナスのことも「共有の材料」としてはプラスと考えることもできるかもしれません。

人に話して共感してもらえればそれも良いですが、もし人に頼れない状態なら、自分で自分に共感を寄せてあげることも有効です。

大切な大切な人の話を聞くように、一番大切にすべきである「自分自身」に優しくしてあげる。

頭の中で怒りの元を整理して、「うんうんわかるよー。がんばったねぇ。」と自分を許容してあげることや、紙に文章として書いてみるのもおすすめです。

ちなみに私は知り合いには教えていないblogに書いて頭の整理をしていたこともあります。笑 同じような経験の人がコメントをくれたりして励まされたこともあります。

出来事と自分の気持ちを切り離して、何が自分をつらくさせているのかを理解する。これを繰り返すことで、自分が怒りを感じるパターンを見つけられることもあります。

まとめ

怒りに踊らされない自分になる

私自身、数年前と比べるとかなり、怒りとの付き合い方は上手になったかなと思います。怒りに踊らされたり、押しつぶされたりすることは減りました。

それでもやっぱり瞬間的にムカーーー!っとなることもありますし、やり返してやりたくなることもあります。

「少し時間をおく」という対処方法を実際に試し、うまくいったという経験を重ねることで、少しずつ、「瞬間的に怒りを表に出す」ことは減ってきました。

これからも引き続き、自分の気持ちと向き合いながら「怒りのコントロール(アンガーマネジメント:Anger Management)」を上達させていきたいと思います。

みなさんが少しでも多く、穏やかな気持ちでお子さんや大切な人との時間を過ごせますように。

追記

2024年8月に追記します。

現在の考え方は、「怒りをコントロールする」ということに重点を置くのではなく、「自分の怒りは何がもとになっているか」を掘り下げることで、「怒りの感情が自然と消えていく」という方法をとることが多いです。

コミュニケーションについて学んでいく中で、他人から向けられた怒りへの対処と、自分の中で生まれた怒りへの対処は、同じ手順で消化することができることを知りました。

他人から向けられた怒りは、その根源をたどって言葉にして返すことで、相手の怒りは少しずつ薄れていきます。

自分の中の怒りは、それが生まれた原因には、自分の中になんらかの要望があるので、そこを知り、自分が欲しかったものを自覚して、うまくいかなかったことをしっかり受け止めることで、ネガティブな感情にとらわれ続けることは減ります。

私にはこちらの考え方のほうが合っているようなので、今後も「怒りの向こうにあるもの」に目を向けて、おだやかに暮らしていこうと思います!

最後までお読みいただきありがとうございます。
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